あしたのコウヘイ

罪を犯した若者とユウジ消臭とのお話

こうへいちゃん「鈴木さんを忘れない」

飲食店ホール業務の接客は

 

ディフェンスなのかオフィスなのか?

 

結論は両方である

 

「鈴木さんを忘れない」と

 

業務終了後に二人で慰め合う

 

土曜日の店内は地獄である

 

70席の焼鳥屋は人でゴッタ返す

 

入れ替わり立ち代わり入り乱れる

 

煙の中に何時間も手を突っ込み燻させていく

 

多少の火傷は気にならない程に忙しい

 

お店の盛り上がりは最高潮

 

鈍い顔をし近寄って来るこうへいちゃん

 

「どうしたん?」

 

「ブッキングです」

 

焼鳥屋は滞在時間が長く、

 

用意に席は開かない

 

ましてや満席、待のお客さんまでいる始末

 

その上、責任者の僕は1秒も止まれないほど忙しい

 

これは 

 

元ホストこうへいちゃんの話術に託すしかない

 

「納めてくれ」と奇跡を信じ依頼

 

数分後

 

何食わぬ顔で帰ってきたこうへいちゃん

 

「どうだった?」

 

「大丈夫でしたよ」「機嫌よく帰って行きました」

 

「何?」奇跡が起きるわけがない

俺なら暴れ回り悪態のつける限界まで悪態ついて帰る

 

「どうやって説得したの?」

 

「ただ単純に洗いざらい包み隠さずお伝えしました」

 

手違いでブッキングしていた事、席がないことも全て話していた

 

強心こうへい

 

意外に

 

「そうゆう事もあるわな、また来るは」と店を後にしたそうです。

 

 

たまたま人間できた人に当たったのか

 

オフェンスに転じた接客が功をそうしたのかはわからいが

 

二人して「鈴木さんを忘れない」と心に近い予約管理の大切さを身に染た1日だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうへいちゃん4度目の手紙がとどく

コロナ自粛期間もおさまり

 

世間は日々の日常が戻りつつある中4度目の手紙がとどく

 

僕も冷め切った我が店を建て直さんと必死に対策を練り仕事取り組む日々

 

中々ブログを書く時間が持てず

 

こうへいちゃんに手紙を書くのがやっとだった

 

手紙の内容は私達は1冊の本を熟読しながら感想を手紙でやり取りしている

 

その本は「生き方」稲盛和夫

 

前回は原理原則につて刑務所の中から語りあう

 

それはまた今度

 

今回は「心に描いたものが実現する」

   「知恵の蔵」「王道」

コウヘイちゃんが心に描いた夢は自分のBARを持つ事だった

東京で必死にホストで稼ぎ夢を叶えようとしていた

結局、店(自分の客)ツケを肩代わりし夢破れる

 

本人の許可が出れば僕達がやり取りしている手紙も載せていきたいと思う

 

自由が無く無機質な刑務所でのやり取り

 

僕は無自覚に未来を押し付ける

 

同じ立場なら、このやり取りを僕なら何を感じるのだろうか?

 

コウヘイちゃんの気持ちはわからないまま

 

手紙の最後には

 

27歳血便なう   と締めくくられているのであった。笑

 

 

 

 

こうへいちゃん仕事始めました!

私が働く意味

 

特にお金に執着するタイプでもない

お金持ちになりたい

いい車に乗りたいとも思い

仕事に取り組んだことがない

経営者なのに車も持っていないし

平凡な生活を子供が成人するまで

維持すことができれば成功だと考えている

 

なぜ人よりリスクを背負い

飲食店経営と言う

薔薇の道に進んで仕事をしているのか

シンプルに好きだから

 

働き方を選べる立場になれた

選べる内容は

好きな人、気が合う人

同じチャンネルで話しができる人

選べる内容はそれぐらいだか

働く意味としては大きい

 

そもそも飲食店経営は好きでないと

続かないし

数店舗持っていたところで

利益率なんて微々たるもん

ハイスペックの人と仕事できる確率は

限りなく低く

重労働、ハイパー長時間労働、汚い、危険

冷静に考えて悪い事の方が多い

新しく参入を考えているなら

おすすめはしない

 

でも、不思議と素直で純粋な人が働く人が多い飲食業

 

 

 

なんだかんだで初出勤のこうへいちゃん

電車で通勤

なんでも行動範囲もある程度決められており

通勤中に事故でも起こせば一発収監

 

特に変わった事もなく

手慣れた新人の受け入れ対応を進め

腐ってもホスト明るく話しかけてくるので

こちらの少しずつ慣れてくる

 

これは、行けるな

 

アルバイトには、この人は犯罪者ですとは紹介することはできない

明るいホスト崩れが来ましたとぐらいで茶を濁しておこうねと

 

昨晩 中二病との協議の結果 採決されていたのであった

 

僕たちの気持ちを知ってか知らずか

コウヘイ様はお話になられるのありました

 

本当に働けるて素晴らしい

こんなに嬉しいことはないです

働くって偉大です

 

一時警察に日の光が当たらない地下の牢獄に拘束されていた期間中が非常に長く

取り調べ以外は無の時間を数週間続けてきたんです

タバコは1日数本

その時だけ狭い広場でお天道様を見れるんです

暇すぎて新聞を端から端まで読むんですよ

ウシシシシシ

 

素直な人が多い飲食店は ドン引きであーーーーーーーーーる

 

はい、人生色々だね

席番を覚えようか? (殺)

 

数ヶ月後、監獄旅行を予約している人とは思えないほど

明るく楽しそうな笑顔で仕事をしてくれている

 

1日で覚える仕事内容は

アホ大学生の数倍早く仕事覚えていく

 

多分仕事が楽しいのは本当なんだなと実感した1日でした

 

 

 

 

 

 

こうへい様にジャジメント

人生始めての海外は一人旅

 

美大受験浪人

当時付き合っていた彼女の

絵は僕の何倍もうまく

桁違いの才能にあふれていたが

結果全ての大学を彼女は落ちた

当時の美大は倍率も高く難関ではあったが

スランプも重なり運が無かった

 

数ヶ月後、

彼女はフランスに飛んでいってしまたので

よって大学在学中の全ての休みは

強制的にフランスに滞在する羽目になり

楽しすぎて放浪癖が身につくきっかけでもある

 

その為には金がいる

フランスに渡る飛行機代

3ヶ月ぐらの滞在費、ざっと30万

 

4年ほど西成の通天閣の下で

超強烈なお客が集まる

焼き鳥屋で店舗経営の

厳しさと楽しみを教わった

 

やくざ身内の揉め事で

店はぐちゃぐちゃに破壊し

店の包丁を持って消えて行ったり

 

浮浪者のブルーシートでできたステキな一軒家で何の酒か分からない酒を酌み交わしたり

 

50歳を過ぎた立ちんぼ『身売り』のおばーちゃんの恋愛相談に乗り

 

パチンコ屋の住み込みで働いていた

元エリート商社マンは人生の奥深さを教わった

 

今でこそ観光地になり治安も良くなったが

僕の知っている真の通天閣は日本ではない

少なからず命の価値は

海外の軽さと変わらない

そんな新世界が大好きだ

 

ヘビーなバイト生活をしていても

 

初めて1人で行く海外旅行の恐怖は半端ない

特に飛行機の中はくるんじゃなかったと

後悔の念が渦巻き寝れない

 

帰りたい!帰りたい!帰りたい!

 

言葉も分からない、ビーフorチキンもギリ

出国カードは白紙確定

激安航空券は色々な国で8時間ぐらい待ち

飛行機を乗り越えて別の国に出発

 

当時のフランスは適当すぎて日本人の出国手続きは無く、いきなり外

 

お金は、当時はフランも両替できないのでない

何度も言いますが言葉はわからない

迎えに来るはずの彼女は電車が遅れ3時間ほど来なかった

 

シャルルド航空で死ぬ!と

実家に国際電話をかけたかった

 

このドキドキは人生に一回しか味わえない

 

もう一度味わいたいと

何回も色々な国行ったが無理だ残念

 

こうへい様は今

 

未知なる場所への恐怖旅の準備

 

こうへい様も同じなんだろうな

 

海外か牢獄かの違い

地獄が確定している旅路への下準備をしている

 

判断をしなくてはいけない

断わる事は必然

何も問題ない、

不安要素を回避するのは経営者としての役割だ

 

でもね

 

誰も助けてくれない世の中だと信じてしまったら彼はまた同じ事を繰り返すかもしれない

 

少なからず手を差し伸べてくれる人はいる

まだ捨てたもんでも無い世の中なんだよと

今度は俺が教えてあげる番がきたのだ

 

 

 

働くか!こうへいちゃん!

 

驚いた顔のこうへいちゃん

宇宙の奇跡と運命のコスモを感じている

ぶさいないホストこうへいちゃん

 

 

幸も不幸も始まりは出会いから

フランスの彼女は別れてしまったが

今でも結婚し幸せにフランスに住んでいる

 

人生たぶん9割運でできていると思う

残り1割を必死に決めれる事があるとするなら

人との出会いのみ

ステキな出会いに乾杯

楽しくいこうぜ

 

振り返りキッチンで仕事をしていた

社員さんの顔は引きずってたね!笑っ

 

 

次回はこうへいちゃん仕事始めました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裁判中コウヘイ様は無収入

20年ぐらい前の話し

路上生活に身を落としてしまうことがあった!

実家の事業が崩壊し

パパは9億の負債を抱えて倒産!

一家は離散。

 

丁度芸術系大学卒業の私は

無視してカナダトロントに渡って行った!

兄は憤怒し、妹は精神を崩壊したね!笑っ

 

逃げる様に一泊のホテルしか決めず

カナダに渡り、

個展、ライブなどなど好きな様に遊び呆け

ちょうどその時、

ニューヨーク同時多発テロ勃発

一ヶ月後に訪れたNYは

沢山のメッセージカードと

献花に埋め尽くされ

カラフルな街は空気がグレーに代わっていた

 

グランドゼロ!

 

言葉を失い

この時ばかりは自然と涙が溢れた

 

一年が過ぎ去り

熱りも覚め日本帰国し

数ヶ月

日本社会に馴染める訳もなく

風に紅色が混ざり出した夏の終わり

始まった路上ライブ生活は過酷でした

 

昼間は公園に居座り

高層マンションの工事を眺める

結局5階ぐらいまで完成

 

数々のジジイ、ババアが

代わり番こに、

鳩に餌をやりにくる

そりゃ増えるわな

 

人は四方が囲まれ安全が確認できないと

絶対熟睡はできない事を体験し 

 

クーラーの効いた図書館では寝ている人は起こしにまわるルールがある

 

煙草が吸いたくてシケモクを探して歩き

薔薇族(ゲイ雑誌)にスカウトされ

精神的にも衰弱しきり

西成の炊き出しに並ぼうと

新たなる一線を越えようか迷っている時

 

ふと最後に祖母の安否を確認しようと

家の前に立ち寄った

たまたまた玄関にいた叔父に救出され

数ヶ月の路上生活は終わりを告げる

 

人生2度目の栄養失調になって飲んだ

ピルクルの味は格別にうまかった

 

 

すいません!本題は

 

そもそも裁判中(罪が確定する前)の人を新規で雇用していいのか?だった

 

答えはコウヘイ様が持っていた

 

「弁護士さんに相談にしたのですが」

「少しの制限を満たせば、特に働くことは問題ないと聞いています」

「警察の方も、西成で日後い労働してこいよ」と応援してくれたそうです。

 

冷静に考えれば裁判が2ヶ月、3ヶ月と長引くと生活を維持する事は難しい

 

ましてや加害者側は家族からの援助も望み薄だし、国が補助してくれる訳はない

 

仮に職を持っていたとしても解雇の可能性が高いのが現実

現金の獲得方法が限りなく難しい状況で

 

その上をいく新規での職探し

 

こうへい様、

ハートの強さは世界チャンピオンだね

 

路上生活始めたらいいじゃん夏だし

ギリギリいけるよ

 

その時、思い出した

 

路上生活中に

ご飯を食べさしてくれた人が唯一1人いた

ほんと物好きな人だ!

人間として大切な事を

沢山その人から学んだ気がする。

 

その人は数年後

 

僕のお嫁さんになってました

 

次回、こうへい様にジャッジメント

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウヘイ様はロマンチック

12ミリのメンソール煙草がお気に入り

職業柄タバコは厳禁のはずだが

人生で一度も禁煙をしようと思ったことはない

ましてや銘柄も変えないソフトスモーカー

 

面接の途中に喫煙など不謹慎極まりない行動だが

二回のダウン落ち着きを取り戻す為に煙草に火を灯す。

 

ニコチンが言葉に一滴の冷静さを取り戻させた

「詐欺罪て何をしたの?」

 

あどけなさが残るボサボサ頭は小さく緩やかに口を開く

 

「スーツで高齢者宅に訪問し

マニュアル通りにキャッシュカードをだまし取り、現金を引き出しす闇バイトで捕まりました。」

「詐欺罪と窃盗罪などに問われており裁判中です」

手軽なSNSを入り口に詐欺グループに使われ、

「罪を犯してしまった」と後悔を語った。

 

頻繁に流れる煩雑な犯罪のニュースそのまま

 

テレビから流れる情報に感情移入もなく聞き流していたことが目の前に起きていた。

 

被害者の事を考えれば、

とんでもない罪を犯している事実

 

だが何故だか、

コウヘイ様を特に攻める気になれない、

 

逆に安堵し心は落ち着きを取り戻しつつあったのだ、

 

数分前までは

ただのジャンキーなのか?

 

素手で人を再起不能のした

一子相伝の伝承者ではないか!

 

炎上の魔術師なのではないのかと

 

マッドマックスの世界観をそのまま想像していたのだから

 

「そうなんだ」

 

「ダメだねそんな事をしては」

「漆黒のバイトをするぐらい、何でお金に困っていたの」

 

「ホストだったんです」

ホスト?

「ホストて、あの煌びやかなシャンパンタワーでお嬢様を魅了するホスト?」

「はい、そのホストです。」

 

率直に感じる印象は一般的なホストには程遠いお顔立ち

私の方がマニアックな中年ホストで一花咲かせれる気がするのだが?

募る気持ちを押し殺

話を続ける。

 

「脚本家の知り合いに劇団員にならないかと誘われ東京に出ましたが」

「現実役者で食べていくのも難しく」

「歌舞伎町のホストで一発のし上がろうと頑張ってました」

 

ホスト舐めんなよと言わんばかりの真剣な眼差だが、いまいち響かない!笑っ

 

「そこそこ、お店ではキャラクターで上り詰めたんですがホストも実際難しく」

「でも、ヒモ(女)で生活してました」

「めっちゃ可愛かった世間知らずのお嬢様にお世話になってました」

「一回パチンコ連れて行ったら毎日行くようになりまして」

「同棲していた育ちの良いヒモの彼女をパチンコ狂いになってしまって」

 

「店のツケとかもあり」

 

「結局、闇バイトに手を出してしまいました」

 

絵に描いたようなカスは確定した

 

満場一致での100点満点での

合格点を叩き出したね!

おめでとう!

 

アミーゴ!

 

夏休みの夜中に放送されていた

ミナ○の帝王に出てくるパターンの人だよね君

萬田はんに取り立てられて

ションボリしてるヤツだよね!

 

ダメだ、ダメだ、ダメだ、

面白い!

昔から悪い癖がある私

見事に人生をフルスイング三振しながら

一塁に全力疾走している奴が何故だか好みだ

もっと根掘り葉掘り

帝王ストーリー聞いてみたい

串カツ屋でビールのみながら聞いてみたい!

気持ちが抑えられない

もっともっと面白い話が出てくる予感しかしない、

 

悪魔の声は小さく耳元で囁いているのだ

 

コイツ面白い絶対と!絶対!

 

 

ダメだ、ダメだ、ダメだ、絶対ダメだ 

浮世離れしすぎているぞ

碇シンジくん

 

綾波もドン引きしてるよ

 

冷静に考えろ

 

リアル ミナ○の帝王経験者だ

 

 

 

2本目の煙草が灰になるところだった

 

 

次回 コウヘイ様、裁判中は無収入の巻き

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コウヘイ様と真実のお面談

そもそも、知らない人と正面に向かい合いお話するて不自然だよね

 

ボクシングでも対戦相手は知っている

長年連れ添った気の知れた奥さんでも目の前にドッシリ座られるとピリッとするものなのに

ましてや目の前にいる対戦相手は何かしら社会に迷惑をかけただろうとされる人

 

絶対大丈夫、自分を信じろ

考えし得る作戦は全て考えた

もう逃げ場なんてないのだ

突撃しか残されていないのだ

 

このヤロー

 

冷たい椅子に腰を下ろすと同時に、無音のゴングが鳴り響く

 

試合直前に俺は心に固く決めていたのだ一気にたたみかけると

全ての体力を使い切る覚悟での1ラウンド勝負

2日間精神をすり減らしすぎている事は自分自身が一番知っていた

2ラウンド目は無い

 

コーナーから勢いよく跳びだした瞬間

 

丸二日考えに考えた面接ストーリーは

天高く吹き飛び跡形もなく粉砕されていた

 

ジーザス

 

渾身のストレートを受けていたのは俺だった

 

「お話は聞いていると思います、警察に捕まり裁判中なのに」

「今回面接をしてくれまして、本当にありがとうございます」

「状況もですが、収監される可能性が高く数ヶ月ぐらいしか働けません」

「面接していただくだけでもありがたいです、本当に断っていただいても結構です」

 

開始早々リングに大の字に倒れ込むのは自分だと気がつくのに時間がかかった

カウントは無情にも始まっている4、5、6、

8で立ち上がり、なんとかファイティングポーズを構えなくては

気力は残っている、足は動く拳を固く握りしめろ

 

まだ何もしてはいない、せめて一発だけでも

 

「何で捕まっちゃったの?」

 

瞬時に確信を突いた、えぐり込む様なボディーブローを放つ

これは効いただろうと笑みを浮かべながら相手の表情を確認するも

 

 

 

「詐欺罪です」

 

最高のタイミングでカウンターを入れられいた

 

2度目のダウン

おならだと信じ、力んだ拍子に身が出てしまったほどの衝撃

 

 

見上げている天井には昭和の匂いを感じる和風のライトに

一本の長い蜘蛛の巣がはっている事に気がつくのであった。

 

 

 

 

次回は、コウヘイ様はロマンチック